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TOP>萩原健太氏の詩集
萩原健太氏の詩集
萩原健太氏の略歴・・・1981年生まれ、群馬県出身。
日本デザイナー学院にて、グラフィックデザインを学ぶ。高校時代より各地を旅しながら、詩や絵の制作を続ける。
現在(2005.12現在)はアラスカにてオーロラとこんにちは。
キョウとの関係・・・沖縄にある、とある企業にて出会う。たちまち意気投合、週3〜4日にも及ぶ酒の席を通じ、親交を深める。
恋に迷ったとき、恋のし始めなど、恋のあらゆるシーンで手に取って頂きたい一冊です。これもまた一つの、オトコの恋愛観。
きっとなにか発見できるはず!!
そんな萩原健太氏の詩集が、Amazon等で絶賛発売中!わずか\1,200(笑)です!
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それでは、詩集スタートです!!
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「無題」
童話「かぐや姫」を
君に聞かせたら
月の人間って勝手すぎるわって
君が泣いたもんだから
僕は君を好きになっちゃいました
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「ある天才の愛」
君を守る覚悟なんて
浦島太郎が竜宮上に行く前には
すでに決まっていたことさ
いやいや
ツタンカーメンの呪いにかけても嘘じゃない
なあに
十一才の頃にはロミオの悲劇をのりこえた
十五才の頃には自分の首の血管より近いものと戦った
でも
僕は死にはしなかった
君をおいては死ねないもの
そうそう
君は知らないかもしれないが
バビロンの空中庭園と
アレクサンドリアの大灯台を見つけたのは
僕なんだ
だからという訳ではないけれど
ねえ
今夜
僕のベッドにおいでよ
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「ある日の夜」
君に電話でもしようかなと思いたったのは
西暦2005年のある日の
午後10時31分
いや 待てよ 未練たらしい男と思われたらどうしようと
考えたのは
やはり西暦2005年のある日の
午後10時31分
でもでも もしかしたらあの娘も本当は俺の電話を
待っているんじゃないかしらと都合よく思い直したのも
これまたやはり2005年のある日の
午後10時31分
いやはや これはもうどうしたらいいものかと
途方に暮れて
天井を仰ぎながらベッドでもだえている
今の時間は
西暦2005年のある日の
午後10時34分である
人間が生きているということはどうやら
宇宙的観念から見ても
実に壮大で緻密なことらしい
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「Jazz Night」
歩いてみようか
今夜このままあいつのとこまで
ためらう気持ちをラム酒で闇にとかしたら
歩いてみようか
今夜このままあいつのとこまで
いやいや それともいっそ
このまま派手に転んでみせようか
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「無題2」
今 君に会いたい!
一分前でも一分後でもない
今 この瞬間君に会いたいのだ!!
・・・という熱い想いも
ペンをはしらせているうちに消えていくのだから
気持ちなんてあてにならないものなんですね
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「散歩道」
この世は
たあいのない愛にみち
たあいのない喜びにあふれ
たあいのない幸せがいきかう
街角では人目を気にせず手をつなぎあい
夏の坂道では二人乗りした自転車が通りすぎていく
誰もいなくなった月夜の散歩道では
老いた二人が何も語らずそっとよりそう
君たちは
時には醜くののしりあい
時には人にのろけてみせて
時には人に馬鹿にされ
そして時々はふとんの中で一つになる
君たちは
実にたあいなく
実にありきたりで
そして何より
実に素敵で素晴らしい
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「幸せの静寂(しじま)」
音を小さくしてもスピーカーから
美しい声がとぎれずに聞こえてくる
そんな静かな昼下がりは幸せだ
青い空を寝転びながら窓ごしに見つめ
中原中也の詩を読んでいる時間は
人恋しくて幸せだ
コーヒーを飲みほして
次のコーヒーをいれながら煙草に火をつけようか
どうか迷いながら咳きこんでいるこたつの中は
とても平和で幸せだ
来るかこないか見当もつかない恋人を
ふとんを干しながら待っている日曜日は
自分を忘れられるから幸せだ
何もしないでただ椅子に座り
青い空がだんだんと赤くなり
そして蒼く光っていくさまを
無言のままに見つめられた日は
気が狂うほどに切なくて幸せだ
ここは幸せのるつぼだ
もがいてももがいてもぬけ出すことのできない
幸せのるつぼのど真中だ
この空の下では
哀しいくらいに僕はしあわせなのだ
あなたはどうですか
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