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天狗
エリと別れた後、地元から妹が出てくることになったため、僕は引越すことになりました。
物件をいろいろ探していたある日、2つ上の先輩であるミユキから電話がありました。
「実家から色々送ってきたんだけど、うちでみんなでご飯食べない?」
僕は数人の同期と一緒に、ミユキの家に遊びに行きました。
ミユキは、ユウコの同期で、僕らが入学した頃から、僕らやんちゃなガキどもの面倒を良く見てくれてた人で、おっとりとした感じの、お姉さん的存在でした。
なんだか予感がありました。というより、そのころの自分は、「狙った人に、こっちを気にしてもらう」くらいの術は身につけていました。
久しぶりに会ったミユキは、前よりも女っぽく、綺麗になった気がしました。
今思えば、こちらが昔より経験地を積んだことで、ミユキを”お姉さん”から”女”として見れるようになっただけだったのですが。
引越し先を探していた僕は、ミユキの家の近くに住むことに決めました。
引越しを済ませ、僕とミユキは、頻繁に遊びましたが、ミユキの中では、僕は可愛い後輩ちゃん止まりだったと思います。
ミユキには、その時、彼氏がいたからです。
最初に、ミユキに気持ちを打ち明けた時には、彼氏がいるということで、申し訳なさそうに断られました。
でも何故か、その時の自分には確信がありました。あきらめずに気持ちを伝えれば叶うという自信がありました。
3度目の告白で、ミユキは彼氏と別れ、僕と付き合うと言ってくれました。
付き合っている日々の中で、ミユキが優しい人だったということ以上に、僕はわがままでした。
ヘンに自信をつけた、というか、怖いものが極端に少なかった時期でした。
ミユキとは、数ヶ月で終わりを迎えました。
結局優しいミユキは、僕に愛想は尽かさなかった。別れた理由は、特にありませんでした。
漠然とした違和感がお互いイヤだったんだと思います。
その頃から、恋愛にのめり込めなくなった自分のことが、キライになってきました。
苦しくなるような、切なくなるような恋がもう一度出来るようになりたいと思ったことを覚えています。
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